新美南吉壁画(にいみなんきちへきが)

童話(どうわ)「ごんぎつね」で知られる新美南吉は、1913年7月30日、知多郡半田町岩滑(やなべ)に生まれましたが、25歳の時、安城高等女学校に赴任(ふにん)して、英語や国語などを教えながら「良寛物語(りょうかんものがたり) 手毬と鉢の子(てまりとはちのこ)」「花のき村と盗人たち(はなのきむらとぬすびとたち)」「おぢいさんのランプ」など次々と作品(さくひん)を発表(はっぴょう)しました。29歳7か月で世を去るまでの短い安城時代(あんじょうじだい)に書かれたものが多く、新田町(しんでんちょう)の下宿先(げしゅくさき)から学校までの通勤路(つうきんろ)にそのヒントとなる材料(ざいりょう)があり、今もその面影(おもかげ)を見つけることができます。南吉の壁画は、その通勤路の商店街(しょうてんがい)に点在(てんざい)し、楽しい彼の作品を思い出させてくれます。

第二のふるさとと言われる安城市では、平成25年、新美南吉の生誕(せいたん)100年を記念して25か所に壁画を描きました。その後追加されて、30個となっています。ひとつひとつ、南吉の童話に関係(かんけい)のある絵となっています。作品に出てくる「花のき村」は現在の安城市花ノ木町(あんじょうしはなのきちょう)で花ノ木橋(はなのきばし)の欄干(らんかん)やお話に登場(とうじょう)する「小さい地蔵(じぞう)さん」のモデルとなった「花ノ木地蔵」が今も残っています。