棒の手伝承地(ぼうのてでんしょうち)

式部大夫(しきぶだゆう)が祀(まつ)られている祠(ほこら)です。桜井神社(さくらいじんじゃ)のお祭りに奉納(ほうのう)されている「棒の手」はこの式部太夫が伝えたと言われています。棒を持ったり、槍(やり)、太刀(たち)、薙刀(なぎなた)、十手(じゅって)、鎖鎌(くさりがま)などを巧(たく)みに操(あやつ)る武術(ぶじゅつ)です。

式部太夫は今川義元(よしもと)の家来(けらい)でしたが、桶狭間(おけはざま)の合戦で敗れて、この桜井の地にやって来ました。「式部太夫」というのは武士の役目の名で、本名ではありません。自分の名前は明かさなかったので、こう呼ばれました。文武(ぶんぶ)の達人(たつじん)だった彼が村の人に教えた武芸(ぶげい)が、その後式部流「棒の手」として、現在まで伝えられて来たのです。今では愛知県の無形文化財(むけいぶんかざい)となっています。祠は個人の屋敷に置かれているので静かに見学して下さい。