印内薬師(いないやくし)

印内薬師

平安時代(へいあんじだい)末期(まっき)の作であり、市内最古(さいこ)の木像(もくぞう)です。寄木造り(よせぎづくり)で柳葉状(やなぎばじょう)の細い目、肉付(にくづ)きの豊(ゆた)かな頬(ほほ)などは平安時代中期(ちゅうき)の仏師(ぶっし)定朝(じょうちょう)の様式(ようしき)を残しています。左手首の差し込みのところに「森仏師宮田再光仕候」と墨(すみ)で書かれています。これは、室町期(むろまちき)に修理(しゅうり)をしてその時に記(しる)されたものと思われます。

 

 

薬師如来(やくしにょらい)という仏様(ほとけさま)は、左手に薬壷(やくこ)を持ち、病気(びょうき)を治(なお)したり、困難(こんなん)を乗り越えさせてくれる現世利益(げんせりやく)の仏様として信仰(しんこう)されています。この薬師様は川島薬師(かわしまやくし)、古井薬師(ふるいやくし)と共にこの地方の三薬師(さんやくし)と呼ばれています。