桜井神社(さくらいじんじゃ)の西の窪地(くぼち)に弁財天が祀(まつ)られています。現在はコンクリートで整備されていますが、かつては、窪地はコンコンときれいな水が湧(わ)き出ている泉(いずみ)で、美しい池となっていたと言われています。この泉の周りには桜の木が有り、春には桜の花が咲いたので「桜井(さくらい)」と呼ばれ、この地の名前となりました。
弁財天は「知」の女神(めがみ)と言われ、転じて学問(がくもん)や芸能(げいのう)の神様です。古くは、インドから中国(ちゅうごく)を経(へ)て仏教(ぶっきょう)と一緒(いっしょ)に伝来(でんらい)して来ました。インドではヒンドゥー教でサラスヴァティと呼ばれ、語源(ごげん)から「流れる物」の意味(いみ)です。「水・川・湖」のほか「言葉(ことば)・知識(ちしき)・音楽(おんがく)・芸能」も流れるものと言うことで、これらすべてを司(つかさど)る神様と言われます。従って、弁財天は音楽や芸能の象徴(しょうちょう)である琵琶(びわ)を持っています。