安城八景之八
茨咲くや なかに目立ちし 花菖蒲 仙風舎柳月 (ばらさくや なかにめだちし はなしょうぶ)
現在のJR安城駅前の市街地は、明治24年(1891)に安城駅が開設された以後に発展したもので、それまでは自然豊かな原野でした。当時の情景について柳月は「以前は何もない原野で、池や沼があって、四季ともに趣があり、特にバラのよい香りや、池に咲くアヤメ、沼のサギソウ、野道のキキョウ、ユリやフジバカマ、リンドウなど俳句の題材とするものが数え切れないほどあった」と述べています。
仙風舎柳月の句碑第一号として、日本デンマークの象徴的建物のひとつである安城町農会館・碧海郡農会館の前に、昭和11年(1936)6月14日に建立されたものですが、現在は移築されています。