荒下落雁(あらしたのらくがん)

安城八景之三

雁鳴くや 風あらしたの 夕まぐれ  仙風舎柳月 (かりなくや かぜあらしたの ゆうまぐれ)

柳月はこの句に込められた情景について、「よく実った長い稲穂が黄金色に色づくと、多くの雁が飛来して稲穂をついばむ様子は、言葉にできないほど深い趣がある」と表現しています。また、周辺の水田については、「底なしの泥田で、村の人々は『アハラ』と呼んで、田植えをする際には竹の網の上に乗って行っていた。ためしに竹竿を突刺してみたが、1丈(約3m)でも底に届かないため、その深さを想像してほしい」とも述べています。