願力寺(がんりきじ)

願力寺と塚越古墳(つかごしこふん)

願力寺

松塚山(まつづかさん)願力寺と言います。真宗大谷派(しんしゅうおおたには)の寺院(じいん)で、15世紀末ころには如光弟子帳(にょこうでしちょう)に「古井一箇所行専(ぎょうせん)」と記録(きろく)されています。願力寺のことです。この願力寺の裏(うら)に塚越古墳があります。市指定の史跡です。

塚越古墳

塚越古墳は、4世紀末に築造(ちくぞう)されたものと推定(すいてい)されています。桜井古墳群(さくらいこふんぐん)の北の端に位置し、1949(昭和24)年の調査(ちょうさ)では、全長(ぜんちょう)が約41m、前方部(ぜんぽうぶ)の高さが約3m、後円部(こうえんぶ)が約5mの前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)と報告(ほうこく)されています。この時の調査では、紡錘車形石製品(ぼうすいしゃがたせきせいひん)や鉄剣(てっけん)または鉄槍(てつやり)などの副葬品(ふくそうひん)が発見(はっけん)されて、注目(ちゅうもく)を浴(あ)びていました。2018(平成30)年の調査では、古墳の形状(けいじょう)が、更に詳(くわ)しく調べられて、墳丘長(ふんきゅうちょう)が約45mに訂正(ていせい)され、前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)の可能性(かのうせい)もあることが指摘(してき)されています。更に、円筒埴輪(えんとうはにわ)が出土(しゅつど)して、4世紀中葉(ちゅうよう)から後葉(こうよう)という従来(じゅうらい)の年代観(ねんだいかん)を裏付(うらづ)ける研究(けんきゅう)が進(すす)んでいます。