アンフォーレ
かつて、ここには更生病院(こうせいびょういん)がありました。更生病院とは、安城を中心とした碧海台地(へっかいだいち)が「日本デンマーク」と言われたシンボルです。当時の「碧海郡(へっかいぐん)購買販売組合連合会」会長の岩瀬和一(いわせわいち)氏が安城農林高校の初代校長の山崎延吉(やまざきのぶよし)氏に「この発展(はってん)してきた安城に必要なものは何でしょうか?」と尋(たず)ね、答えが「農民(のうみん)の健康(けんこう)を守るための病院でしょう!」ということでした。
こうして、農家(のうか)への利益還元(りえきかんげん)のため1935(昭和10)年に近代的(きんだいてき)医療(いりょう)サービスが開始されました。農民への医療費は格安(かくやす)で、しかも、口座(こうざ)からの自動引き落としという制度(せいど)は、現金(げんきん)を持たずに診(み)てもらえると大変(たいへん)好評(こうひょう)でした。名古屋大学医学部の大きな協力があったと言われています。
2002(平成14)年に現在の安城町(あんじょうちょう)東広畔(ひがしひろくて)に移転(いてん)され、その跡地(約12300㎡)に創(つく)られたのが図書情報館(としょじょうほうかん)やホールがある本館(ほんかん)と、イベント等(など)が行(おこな)える願いごと広場(ねがいごとひろば)や公園を備(そな)え、民間経営(みんかんけいえい)による駐車場やスーパーマーケットがある複合施設(ふくごうしせつ)の「アンフォーレ」なのです。
「アンフォーレ」の名は、安城の「あん」と英語でひとつの意味を表す「an」を合わせた「アン」、フランス語で森を表す「foret」を基(もと)にした「フォーレ」を組み合わせた造語(ぞうご)です。「アン」には、心ひとつに力を合わせて、未来(みらい)へ躍進(やくしん)発展する安城市という意味が込められており、森の「フォーレ」には、集積(しゅうせき)・やすらぎ・成長(せいちょう)・きらめき・未来を現(あらわ)しています。
アンフォーレのロゴマークは安城市出身(しゅっしん)のグラフィックデザイナー、廣村正彰(ひろむらまさあき)氏によるデザインです。
集まった大小のピースは、アンフォーレに集まる様々な歴史(れきし)、文化(ぶんか)、人、アイデアを象徴(しょうちょう)し、それらが組み合わさりながら、ひとつの“場”を形成(けいせい)していく様子を表現しています。また、ピースが組み合った形状は「foret=森」を表現し、安城の豊かな田園風景(でんえんふうけい)も連想(れんそう)します。加えて情報発信(じょうほうはっしん)と収集(しゅうしゅう)をするアンテナもイメージしています。また、使われている色は、豊かな土壌(どじょう)の「ブラウン」から稲穂(いなほ)が実る様子を濃淡(のうたん)のグリーンで表しています。